一部の競馬ファン
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一部の競馬ファンの間で依然として熱狂的な支持を受けているのがサイン馬券だ。
ケントク買い、暗号馬券……。人によっていいかたは様々だが、基本的に競
馬とは直接関係のない世の中の出来事、誕生日の数字など、何か気になる事象
をレースの予想に結びつけるのはすべてサイン馬券といってもいいだろう。
普通の競馬ファンならば「今日は母ちゃんの誕生日だから、誕生日馬券でも
買ってみるか?」と、一度くらいは本筋の予想ではない馬券を買ったことくらいあるはずだ。
なかには「そんな買い方は邪道」とばかりに完全否定する人もいらっしゃる
ようだが、馬券の楽しみ方のひとつとしてそういう買い方もあるんじゃないか
と、私はけっこ毒込目定的なほうである。
正当な予想ではちっとも当たらず、肩の力を抜くつもりで買ったサイン馬券
が的中して予想外の大儲けをすることだってあるのだから競馬は面白いのだ。
競馬はたまに予測不能なレース結果になることがある。
どう考えても走りそうにない旧頭立て旧番了全剰型淫対するなんてことが平気
で起きたりするのである。馬を出走させていた厩舎のスタッフでさえ「なんで
走ったのかわからない・・・…」と驚いていることもしばしば。天地が引つくり返
るような大荒れのときに、すでに正攻法の予想者の出番はなく、隣りでサイン
派が笑みを浮かべていたりもする。予想方法はなんであれ、当たり馬券を持っ
ているほうが偉いのが競馬だ。解説者がいくらもっともらしい能書きを述べて
も当たらなければ価値ゼロ。初心者でもベテランでも、プロでも素人でも、と
にかく競馬は当ててこそナンボの世界なのだ。
普通のファンと同じように、一部騎手たちの間で醤『暗号』『サ
イン』が話題のネタになっていることは錫まり知られていないかもしれない。
騎手たちは、世の中にサイン馬券というものがあることを逆説
的にとらえ、自分たちなりにアレンジした暗号ゲームを楽しんでいるのである。
騎手のサイン馬券ブームは、2?3年前から自然発生的にひろ
まり、最近の調整ルームではすっかりサインの概念が定着してい
る。出馬表が出されるとすぐに騎手同士「ああだ、こうだ」といいといいあっている姿をよく目撃する。
「デンマ(出馬表)でた?」
「でたぞ!オレ、今週日曜のメイン勝たないと(笑)」
騎手の間でよくいわれているのは、1枠にホワイト、2枠にブラック、3枠
にレッドなど「枠の色と同じ色の名前の馬が入ったときは連対する」という暗号。仮に自分の騎乗馬に「ピンク」という名前が入っていて、8枠に入ったり
するとこれがけつこう嬉しいものなんだそうだ。ほかにも「その週の野球の話」「暦や干支」「その週のトピックス的話題」「事件にまつわるキーワード」などを駆使して、あれこれと自分の馬が連対する理由を探していたりするから可愛い。
。実際そういう状況で本当にレースで連対してしまったりす
ると「ほ-らきた!」とばかりに騎手ルームは大盛りあがりしたりもする。
GIでは2007年の『フェブラリーS』で4枠に入ったブ
ルーコンコルドなどはまさにその例だった。鞍上の幸もサイン
話がけつこう好きで、枠順を見るなり「よし.ブルーコンコル
ドが4枠。諺らった!」と冗談半分でもニコニコ顔に。結果は
2着にきちんと連対。「やっぱりサインはあるなあ(笑)」とサ
イン好きの騎手一同は大喜びしていたほどだ。
『元祖サイン派』といわれるファンの方々は「レースの結果はすべてJRAによって仕毒総まれている」という所を出発点にしているらしいの
で、逆に騎手が枠順の並びを見て楽しんでいるとかいうと「そらみろ!」みた
いなことになりそうだが、仮に騎手たちがJRAの秘密本部から指令を受けて
いたとしても、その通りに実行できるほど彼らはスゴ腕じゃないし、競馬だっ
てそれほど甘くない……。とはいえ、サイン馬券の一端が騎手たちにも伝播し
たおかげで、ある意味それを知る騎手たちはときどき自己暗示をかけたりする
ので、サイン馬券の効果はゼロではないともいえるのである。
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